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パピレスの電子書籍販売数は微減も経常利益は4割増-Amazon参入の影響は少ないか

2013.02.13

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パピレス

 2月12日、株式会社パピレスは平成24年第3四半期の決算を発表した。この中で、売上高は前年同期比17.5%増の40億9485万円、経常利益は41.9%増の3億1650万円となることが明らかにされた。

 発表の中で、電子書籍販売については売上冊数を発表しているが、第3四半期累計期間では1272万8130冊を売り上げたという。
 その内訳は、コミック1107万3155冊、小説・ノンフィクション141万4745冊、写真集12万1982冊、その他11万8248冊となっており、コミックジャンルが売上の大きな柱になっていることが分かる。

 ちなみに、平成24年12月末時点での在庫数も明らかにされているが、トータルは16万3943冊となっている。
 内訳は、コミック5万5570冊、小説・ノンフィクション5万6399冊、写真集3万778冊、その他2万11906冊となっている。

 これを単純計算するのもおかしな話だが、売上を在庫数で割れば、電子書籍1冊あたり約78人が購入したことになる。また、コミックに限れば1冊あたり199人が購入したことになる。
 もちろん大きく売れるベストセラーと、ほとんど売れない作品があるはずだが、いずれにしても一書店でこれだけの点数が裁けるとは、紙の書籍と比較しても面白い数字だ。

 パピレスでは、電子書籍取次として他の電子書籍ストアへの卸も行っているが、こちらの売上は611万4000円となり、前年同期比79.4%増となったとのこと。
 卸先の電子書籍ストア数が分からないので単純には言えないが、いずれにしても電子書籍そのものの購入者は増加傾向にあると分かる数字だ。

 

 さて、売上となると、やはり成長傾向が気になるところだ。
 四半期ベースでの発表を見ると、在庫数は第1四半期14万2515冊、第2四半期15万3354冊、第3四半期16万3943冊と増加しているが、一方で売上冊数は第1四半期377万5155冊、第2四半期448万1499冊、第3四半期447万1476冊と、少しだけだが減っている。

 この背景には、10月末のAmazonの参入があると思われる。
 ただ、他社の調査結果からも分かるが、Amazonの参入は既存ユーザーを奪い取ってのシェア確保ではなく、新規ユーザーを市場に引き込んでのシェア拡大と考えられる。
 このため、既存ユーザーがKindleユーザーになるケースはあれど、それよりもこれまでユーザーではなかった人を引き込む力の方が強く、パピレスにしても微減程度で済んだものと思われる。

 現時点では電子書籍ストア同士がシェアの食い合いをしているというよりも、市場全体のパイ拡大に繋がっている模様が見て取れる数字ということだろう。
 ただ、最終的にはこれまで以上の成長を図ろうとするならば、Amazonともシェア争いをすることになるだろうし、既存顧客を他社に逃がさないような戦略も必要になるだろう。

 パピレスは1995年にパソコン通信にて電子書籍ストアを開始した老舗企業だ。
 その後、携帯電話向けサービスなどで好評を博し、2010年には上場を果たしている。このような電子書籍市場での老舗も、新規参入業者でも、ユーザーにとって変わりはない。

 どちらがユーザーにとって使いやすく、安心でき、お得に電子書籍を利用できるのか。「電子書籍元年」が昨年だとすれば、既に年の明けた今年からは、物珍しさではなく、中身で勝負する時代が到来する。
 その中で、どこのストアが良いものを提供できるのか。そんなところが問われる時代がやってきそうだ。

関連情報はこちら

平成25年3月期第3四半期報告書(パピレス・PDF)

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