電子書籍に関するニュース、電子書店・電子書籍リーダーの情報などを最新情報をお届けします。

「自炊代行」は著作権侵害となるか?-作家ら7人が「自炊代行」業者を再び提訴

2012.11.28

「自炊代行」は著作権侵害となるか?-作家ら7人が「自炊代行」業者を再び提訴 はコメントを受け付けていません。

 11月27日、作家・漫画家ら7人が、書籍の「自炊」を代行するのは違法だとして、「自炊代行」を行う業者7社を相手取り、東京地方裁判所に、「自炊代行」の差し止めと損害賠償計147万円を求める訴えを起こした。

 原告となる作家・漫画家は、作家の東野圭吾氏、浅田次郎氏、大沢在昌氏、林真理子氏、漫画家の弘兼憲史氏、永井豪氏、漫画原作者の武論尊氏の8人。
 訴えられた業者は、「ブックコピー」「Scan Agent」「00paper.com」「PDFBOOKS」「ヒルズスキャン 24」「電子書籍化ドットコム」「スキャポン」の7社。

 訴えによると、業者7社は、客から預かって電子化したファイルが個人利用にとどまるかを確認する措置をとっておらず、「自炊代行」の行為が著作権侵害に当たるとしている。
 個人が「自炊」をする行為は、著作権法における私的利用の範囲内に収まると考えられるが、業者が客からお金を取ってこれを代行する行為は私的複製を超え、著作権を侵害しているとされる。
 今回訴えられた7社は、その中でも特に悪質だとして、今回の訴えとなった。

 

 著作権を持つ作家らからは、「自炊代行」業者への不信感があり、昨年9月には業者100社以上に対し、一斉に質問書を送付。
 これに対し、多くの業者が訴えのあった作家の著作物はスキャンしないとの回答をした。更に、スキャンを続けると回答した「スキャン×BANK」「スキャンボックス」の2業者に対し、2011年12月に今回と同じ7氏が訴えを起こした。

 この結果、「スキャン×BANK」は2012年1月に事業を停止し、5月には会社を解散。「スキャンボックス」は、4月に訴えを認める「認諾」を表明し、事業の停止も表明した。
 このため、裁判自体は「実質勝訴」という形になり、訴訟の取り下げを行っている。

 しかしながら、今回改めて訴訟を起こした背景には、前回の裁判が「実質勝訴」という形になり、判例が出ないまま終わってしまったまま、現時点においても「自炊代行」そのものが黒であるか、白であるかの結論が出ないまま、現在まで来てしまったことにある。

 今回、7社を提訴したことにより、改めて「自炊代行」そのものについての議論が活性化し、その意義が問われることになる。

関連情報はこちら

本・漫画の「自炊」代行、東野圭吾さんらが提訴(日本経済新聞)
確たる判決を求めて――作家7名がスキャン代行業者7社を提訴(ITmedia eBook USER)
著作権侵害を防ぐには裁判しかない、東野圭吾氏らが自炊代行業者を再び提訴(INTERNET Watch)

 

 今回の結果はどうなるかは分かりません。
 今後「自炊代行」という仕事自体、なくなるのかもしれませんし、形を変えて継続されるのかもしれません。

 ただ、一個人からすれば、「電子書籍」そのものが存在せず、「紙書籍」を買わざるを得ないという事実があり、その上で「わざわざ電子化」するためには、裁断機やドキュメントスキャナなどの機器を購入せざるを得ず、だからこそ1冊数百円程度で代行してくれる業者が何百社あってもそれぞれ運営が可能になっているわけです。

 まあ、色々考えるところはありますが、いずれにしても紙書籍ではなく、電子書籍を求める「読者」がいることも忘れないでいて欲しいものです。

関連記事

コメントは利用できません。

電子書籍NOW!について

ページ上部へ戻る